ヨーロッパでコロナ感染拡大の現状と現地で生活する医師の見解

職場からの風景
コロナウイルスパンデミックの影響でグンとストレス度の上がったヨーロッパでの留学生活になっているので、今の心境をまとめておこうと思います。住んでる地域の発症率を計算するとイタリアの1.5倍あるとは驚きです。。
<オーストリアでの感染者数の推移>
オーストリアで初めてのコロナウイルスの感染者が確認されてたのは私が日本から帰国した225日でした。イタリア帰りの2人が私の住むインスブルックで検査陽性になりました。インスブルックを中心とするチロル州はオーストリアの最西端でイタリアとの国境があります。アルプスがあり、多くの人がスキーをしに訪れる街です。
人々はコロナウイルスについての警戒はあまりなく、リラックスしているようでした。差別も全く受けなかったし、同僚と食事など言っていました。
最初は非常に少しずつ感染者が増え、228日にはオーストリア全体で6人になりました。
大学から、日本や韓国・中国・イラン・ロンバルディア州などからの帰国者へ2週間の自宅待機を命じられ、私も回答するため自宅待機となることになりました。
39日の週からまた勤務再開となりますが、感染確定者数は131人となり、
310日からの大学での授業が中止となりました。
310日 182
311日 246
312日 361人 と増え、大学構内で運動する事も禁止となりました。また、街でも飲食店は15時までの営業に制限となりました。
313日 504
314日 675
315日 860人(内チロル州 254人) とうなぎ上りに増加し、16日からはスーパー・薬局などの生活必需を扱う店以外はとりあえず1週間の休業の方針となりました。
州は出勤までは制限していませんが、大学から出勤制限があり、急を要する特別な用事がない限り出勤停止となっております。
<発症率>
発症数だけ見れば相対的に少なく見えるかもしれませんが、母数の人口が少ないという罠があります。
オーストリアの人口は880万人しかいないので発症率=9.8/100000、チロル州(74万人)に至っては発症率 = 34.3/100000です。
日本で1500人感染者がいる際の発症率 = 1.19/100000ですので、感染のリスクは日本の30倍になっている状況です。。イタリア全土2.2万人人感染者がいるようですがイタリアの人口は6000万人なので発症率
=36/100000であり、短期間でイタリアと同程度の発症率に至っているという驚愕の状態です。。
ウィンターシーズンであるため日本の北海道で流行が先行したように、実はヨーロッパのリゾート地であるチロル州での感染率が非常に高くなっています。。
しかも312日にラボで同僚3人が行った実験の被験者がコロナウイルス陽性になっているとのことで、ウイルスの魔の手が見えるとろに迫ってきています。感染という事だけでもストレスを抱えています。
<携帯会社の機能にも影響が>
加えて、313日に携帯のプリペイドが切れてから携帯電話が使えません。オーストリアの住民票をもらって3か月経たないと家でのインターネット回線の契約ができないので、ネットも使えません。

313日に研究室に夜戻り、wifiを拾ってプリペイド課金しましたが、反映されないまま、週末を過ごしました。
月曜日になれば携帯会社が処理するかと思いきや月曜になっても処理されません。電話をしてもドイツ語全くわからず、適当に番号案内を押してつながった男は英語が喋れなかったためすぐに電話を切られる始末。。
店頭で処理をすれば違うかもしれないと考え、お金は無駄になりますが、課金するも、同様で、反映されるのを待つ必要があります。
コンビニの店員に電話してくれないかといってもしてくれません。
ドイツ人の同僚に助けてもらいたいですが、出勤停止の今は職場で会えません。
インターネットがないと日本の家族とも連絡が取れないし、授業をオンラインに挙げることも、仕事のやり取りもできないわけですが、ネットをしに行っていたカフェも図書館も職場にも行けない状態です。周りとのコンタクトがなくなるとこうもそわそわするもんなのだと感じました。
<もちろん研究にも影響が>
さて、研究の方も順風満帆とは行きません。ウイルスで実験もできませんし、職場にもいけない状況で、復旧のめどがみえないため、充実度の低い時間を強いられています。
<日本への帰国もしずらい>
もう、日本に一度帰ってしまおうかとも思いますが、私が感染していた場合日本の娘を含め家族に感染させるのは避けたいですし、オーストリアのビザの取り消しなどされると現在の職を失いかねず今までの積み重ねがパーになってしまうので、不安要素があり断念しています。(そうこうしているうちに日本への帰国も、ヨーロッパへの入国も制限が始まるようです)


ここ最近で最も不自由で落ち着かない生活をしています。
仕事もうまくいかず、家族とも離れ離れでいる事でストレスも倍増している気がします。
今日は日本に返る場合用のマスクを探しに薬局に行きましたが、取り扱いがありませんでした。でも代わりに入浴剤を買ってきました。お風呂にでも入ってすこしリラックスしようと思います。
(医師の私が思う現地での急速な感染拡大の原因:医学的な根拠までの考察はしていません
・住民の意識が甘かった。もともと楽観的?
・仮面禁止法でマスクの着用には医師の診断書が必要になっているが、症状がある人もマスクをつけずに生活している可能性が高い
・パンを素手でつかんで食べる、地面に平気で座るなど、手指衛生への意識がもともと低い
・握手などのボディタッチが多い
・ルームシェアの文化であり一人で暮らしている事が非常にまれ
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